雑誌概要

「LINEマンガ(ラインマンガ)」は、LINE Digital Frontierによって運営され、LINEプラットフォームと連携している日本のウェブコミック配信サービスである。2013年4月9日にLINE株式会社(現・Aホールディングス株式会社)によってサービスが開始された。

本サービスは、連載を伴う無料・有料話売りの「曜日連載」「毎日無料」、単行本単位のコミックス販売を行う「単行本」、そしてユーザーによる自由な漫画投稿および共有サービスの「インディーズ」の3種類のサービスを提供する総合的なプラットフォームであり、アプリ、ウェブ、タブレットなど多様なデバイスに対応している。

2020年3月・4月にはAppAnnie国内アプリダウンロード数が2700万を突破し、月間アクティブユーザー数、アプリユーザー平均利用時間でスマートフォン漫画アプリ業界1位を記録した。インプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2021」では、Kindleストアを抜いて日本で最も利用されている電子書籍サービス・アプリとされている。

2022年3月には運営会社のLINE Digital Frontierがイーブックイニシアティブジャパンを子会社化したことにより、LINEマンガとebookjapanのバックエンド業務が共通化され、利便性の向上と事業基盤の強化が図られている。2023年12月には分業制によるWEBTOON制作スタジオ「LINE MANGA WEBTOON STUDIO」が始動し、2025年4月にはオリジナルのwebtoon・横読みマンガを生み出す企画・制作・編集部門としてリニューアルされる予定である。

特徴

  1. 多様な読書スタイルに対応:
    「曜日連載」「毎日無料」による連載作品の提供に加え、「単行本」形式でのコミックス販売も行っており、ユーザーは自身の好みに合わせて様々な方法で漫画を楽しむことができる。特に「毎日無料」は、一定時間経過で次の話が読めるという仕組みで、ユーザーの継続的な利用を促している。

  2. オリジナル作品と既存出版作品の融合:
    2015年からはLINEマンガ編集部によるオリジナル作品の配信を開始し、多くの人気作を輩出している。また、既存の出版社から提供される作品も豊富に揃っており、幅広いジャンルの漫画を楽しむことができる。

  3. ユーザー参加型プラットフォーム「インディーズ」:
    2015年2月25日より開始された「LINEマンガ インディーズ」は、ユーザーが自由に漫画を投稿・共有できるサービスである。これにより、新たな才能の発掘と、読者と作家の双方向コミュニケーションの場を提供している。

  4. 積極的なメディアミックス展開と外部連携:
    オリジナル作品の中には、ドラマ化やアニメ化されるものも多く、社会的な話題を呼んでいる。また、2019年にはWebtoonサービス「XOY」を統合し、Webtoon作品のラインナップを強化した。イーブックイニシアティブジャパンの子会社化は、さらなる事業拡大と連携強化を示している。

  5. 高い市場シェアと影響力:
    国内アプリダウンロード数、月間アクティブユーザー数、利用時間において業界トップクラスの実績を持ち、日本で最も利用されている電子書籍サービス・アプリとしての地位を確立している。これは、LINEプラットフォームとの連携による高い利便性と、豊富なコンテンツがもたらすものだ。

主なオリジナル連載作品

LINEマンガは、多数のオリジナル連載作品を生み出している。特にドラマ化やアニメ化された作品は、本サービスを代表するタイトルとなっている。

  • 『偽装不倫』(東村アキコ):
    独身アラサー女性の恋愛を描いた作品で、テレビドラマ化された。

  • 『困ったじいさん』(大江しんいちろう):
    ユニークな行動をとるおじいさんを描いたコメディ作品で、アニメ化された。

  • 『スマホを落としただけなのに』(原作:志駕晃、漫画:嶋田ひろあき):
    同名の人気小説をコミカライズしたサスペンス作品で、映画化もされている。

  • 『文学処女』(中野まや花):
    恋愛経験のない女性編集者と年下小説家の恋愛を描いた作品で、テレビドラマ化された。

  • 『先輩はおとこのこ』(ぽむ):
    男の娘の先輩と後輩の関係を描いたLGBTQ+をテーマにした作品で、アニメ化が決定している。

  • 『うわようじょつよい』(派手な看護婦):
    幼女の強さが話題となるギャグ作品だ。

  • 『クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-』(岩原裕二):
    魔獣の王と赤子の関係を描くファンタジー作品である。

  • 『鈍色の箱の中で』(篠原知宏):
    複数の男女の複雑な人間関係を描く群像劇で、ドラマ化された。

これらの作品は、LINEマンガが多様なジャンルのオリジナルコンテンツ開発に力を入れていることを示している。