Eleganceイブ(エレガンスイブ)

「Eleganceイブ」は、秋田書店が発行する日本の月刊女性漫画雑誌である。1984年7月26日に9月号として創刊された。毎月発行月の前々月26日に発売され、略称は「エレイブ」である。主に大人の女性をターゲットとしており、創刊当初から佐伯かよのや風間宏子、金子節子といったベテラン作家の連載作品を掲載してきた。
大人の女性をターゲット:
「Eleganceイブ」は、中学生や高校生向けの少女漫画誌とは異なり、20代以上の「大人の女性」を読者層としている点が最大の特徴である。そのため、掲載作品は恋愛だけでなく、人生、結婚、家族、仕事、趣味、社会問題など、より現実的で深みのあるテーマを扱っていることが多い。読者が共感できるような等身大の女性の姿や、心の機微を丁寧に描いた作品が主流だ。
多様なジャンルとテーマ:
純粋な恋愛ドラマから、夫婦関係、嫁姑問題、育児、介護といった家庭内の問題、さらには健康や片付けといった実用的なテーマ、社会派の物語、コメディ、ミステリー、ホラーなど、非常に幅広いジャンルの作品が掲載されている。これにより、読者の多様な関心に応えている。
ベテラン作家と個性派作家の共演:
創刊時から活躍するベテラン作家の連載が長く続く一方で、新しい才能や個性的な作風を持つ漫画家も積極的に起用している。これにより、伝統と新しさが共存する誌面が形成されている。
社会のトレンドや生活に密着:
読者の生活に密着したテーマを取り上げることが多く、例えば健康、料理、片付け、社会問題などを題材にしたエッセイ風の漫画や実用的な情報を提供する作品も多い。これにより、読者は漫画を読むだけでなく、日常生活のヒントや共感を得ることができる。
「Eleganceイブ」からは、大人の女性の心に響く、多様なテーマの作品が生まれている。
『緋の稜線』(佐伯かよの):
長期にわたって連載され、本誌の初期を代表する作品の一つ。愛憎渦巻く人間関係を描いたドラマティックな物語である。
『花のズボラ飯』(原作:久住昌之、作画:水沢悦子):
ズボラながらも美味しい料理を楽しむ女性の日常を描いた作品で、食と日常の小さな幸せを追求する点が読者の共感を呼んだ。テレビドラマ化もされた。
『凪のお暇』(コナリミサト):
職場での人間関係に疲弊し、全てを捨てて引っ越し、人生をリセットしようとする主人公の姿を描く。現代社会で生きる女性の葛藤と成長をリアルに描き、多くの読者から支持され、テレビドラマ化もされた。
『ちひろさん』(安田弘之):
元風俗嬢の「ちひろさん」が、様々な人々と交流しながら独自の生き方を見つめ直していく物語だ。映画化もされた。
『サチのお寺ごはん』(かねもりあやみ、原案協力:久住昌之、監修:青江覚峰):
寺を舞台に、料理を通じて人々と交流し、心を癒していく物語である。食の知識や心温まる人間模様が描かれた。
『酒と恋には酔って然るべき』(はるこ、原案協力:江口まゆみ):
働く女性が、美味しいお酒と共に恋や人生を謳歌する姿を描いた作品である。大人の女性のライフスタイルを魅力的に表現している。
『ムーちゃんと手をつないで〜自閉症の娘が教えてくれたこと〜』(みなと鈴):
作者自身の経験を元に、自閉症の娘との日常生活や、そこから得られる気づき、家族の絆を温かく描いたエッセイ漫画である。
これらの作品は、「Eleganceイブ」が、大人の女性の多様な感情や生活、そして社会に対する視点を深く掘り下げて描くことを得意としていることを示している。