48歳主婦が今さら「スラムダンク」を人生初で読んでみる【初見感想】1巻

「ONEPIECE」を48歳にして今さらながらに読んでみるという感想記事を書き始めた私だが、実は他にも有名作品で手をつけてないものがいくつかある。

そのひとつが多くの人が「推し漫画トップ3」に挙げると言われている「スラムダンク」だ。

スラムダンクもまた、私の事前知識レベルは浅い。
知っているのは、バスケ漫画であること、ぽっちゃりした監督の「諦めたらそこで試合終了ですよ」という伝説のセリフぐらいである。「舐めてんのか」と言われそうである。

ONEPIECEはまだ、読んだことがないことをカミングアウトしても、「あ、そうなんだ」というフワッとした反応がかえってくるが、スラムダンクを読んだことがないと言うと、「ええ!?本当に?まさにスラムダンク世代のくせに??」とまるで非国民さながらの扱いを受ける。

きっと多くの3~40代にとって、スラムダンクといえば青春の代名詞なのだろう。
そんな名作を読んだことがない人間がいるとはにわかに信じがたいのだ。

ONEPIECE全巻読破を決意したついでと言ったらバチがあたるが、こうなったら今まで未読の名作に片っ端からチャレンジしてみようと思ったのが正直なところである。
というわけで、「なぜか私がスルーしつづけてしまった名作を読む」2作目として、スラムダンク1巻の感想を記していく。

「スラムダンク」1巻の内容と印象

舞台は4月の県立湘北高校。
主人公は新入生の長身の男子「桜木花道」。
この文章を打っていて、「さくらぎ」まで入力したところで、予測変換で「桜木花道」が出てきた。
さすが段違いレベルの名作である。

桜木は(呼び方はこれでいいのか?世間では彼を何と呼ぶのだろう?)どうやら意中の相手に振られたばかりのようだ。
しかし失意の様子も一瞬で、また新たな女生徒「赤木晴子」に一目惚れをする。
赤木晴子も「あかぎ」までで予測変換が出てきた。おそろしい。
この娘がヒロインだろうか?

桜木の髪型はなんと赤いオールバック。
まわりの男子生徒もみなオールバック。どうやら県立湘北高校はいわゆる不良な生徒が多く通う高校のようだ。
そんな高校らしく、桜木は3年生の校舎で3年男子に絡まれる。
不良高校あるあるの「生意気な新入生をしめてやろう」というところだろう。

しかし、桜木はあっという間に3年生を逆にしめてしまった。
かなり強いようだ。
喧嘩になりスイッチが入った彼はかなり迫力があり格好いい。

そんな激しい桜木だが、赤木晴子にはデレデレである。
「バスケは好き?」と言われ、二つ返事でバスケ部の見学に行くことになる。

ここで赤木晴子から、ゴールがこわれるのではないかというくらいボールを強く叩き込むことを「スラムダンク」というと教わる。
・・・そうなんだ!?知らなかった。「スラムダンク」という作品名がまさかダンクの名前だったとは。勉強になった。

「ちょっとダンクをやってみて」という赤木晴子のリクエストに、全力で応える桜木は、その驚異的なジャンプ力を発揮する。
このときの見開きページがとても格好がいい。
まるでその一瞬、時が止まったようで、赤木晴子が受けている衝撃がストレートにこちらにも伝わってくる。
さすが名作。これは一気に作品の世界観に引き込まれる。

残念ながらダンクは成功しなかったが、桜木のバスケの才能を確信した赤木晴子は、「救世主が現れた」と喜ぶのであった。

晴れてバスケ部に入部することを決めた桜木。
しかしそんなワクワク気分も束の間、赤木晴子には片思いの相手「流川(るかわ)」がいることを知る。
「流川」は予測変換どころか変換しても出てこなかった・・・。重要人物ではないのか?
いかにも桜木の永遠のライバルポジションになりそうな印象なのだが。

またもや失恋してしまった桜木。
しかし今回は、本気でへこんでいる様子である。「振られ歌」のドナドナが面白い。
ちなみに今の子供たちは「ドナドナ」を知っているのだろうか??
さらに余談だが、桜木の友人のひとり「野間」という生徒は、本当に高校1年生なのか??
どう見ても30代のおじさんなのだが。

場面は変わって、学校屋上。
とうとう流川の登場である。
サラサラヘアにきりっとした目鼻、さらにいわゆる「ツンツン」キャラ。
これはなかなか女性受けしそうなキャラクターである。
スラムダンク人気キャラ投票では、いつも上位にいたに違いない。

この流川も桜木並(念のためだが「桜並木」ではない)の腕っぷしである。3年生を一人であっという間にのしてしまった。
3年生に呼び出されていた桜木がその場に現れ、流川があの赤木晴子の思い人とわかり掴みかかった。
その場面を赤木晴子に見られ、流川の怪我が桜木のせいだと誤解されてしまう。
その結果「大っきらい」という絶望的な宣言をされてしまうのだった。
さすがにかわいそうな桜木・・・。

ここで、「桜木花道と流川楓ーのちに終生のライバルと言われる二人の出会いだった」というテロップが入る。
やっぱり作品通してのライバルポジションだった!!
そんな主要キャラなのに、なぜ彼は予測変換されないのだろうか。
かわいそうな流川・・・。

また場面は変わって、放課後。
どうやら赤木晴子の誤解は解けたようである。けれど、赤木晴子に嫌われていると思ったまま失意の桜木は、バスケ部のキャプテンに出会う。

ん?このキャプテン、見たことある。ちょっと植木鉢みたいな髪型の人。
このキャプテンもかなりの腕っぷし&高身長のようだ。
それにしても、桜木・流川・キャプテンは、それぞれ身長何センチなのだろうか?180~190センチ位?

失意の桜木に、バスケなんて「タマ遊び」と言われ激怒したキャプテンと、桜木がバスケで勝負をすることになる。
ん・・・?このキャプテンって・・・もしかして赤木晴子の兄・・・?

予想通りだった(いかにもそう予想できる描写だったので、自慢などできないが)。
キャプテンの赤木、かなりバスケに心血注いでいるようである。とてもいい人そうだ。
ところで、ここで赤木晴子が「桜木君は190センチくらいありそう」と言っている描写がある。
桜木が190センチということは、赤木キャプテンは2メートル超えなのか?

赤木キャプテンの目標は、全国優勝のようだ。
なるほど、それで桜木が「救世主」になりうるということか。

キャプテンとの勝負の最中、赤木晴子の姿を発見した桜木は、応援していてくれたのだと感激する。
そして底力を発揮するのだが・・・・この「フンフンフンフン」というシーン。
これは見たことがある。このシーン、あの有名なシーンだと思わず感動してしまった。

全国トップレベルの実力をもつ赤木キャプテンと、素人の桜木。勝負は決まっているものかと思われたが、桜木の底力がその限りなく狭い可能性をこじ開ける。
鉄壁の守りをみせる赤木キャプテンの頭上を狙ってゴールに向かってボールを投げ、ゴール板で跳ね返ったボールを捕らえてダンクを決めようと試みる。
しかしそう甘くはなく、赤木キャプテンに追いつかれて跳ね返ったボールを奪われてしまう。
しかし、桜木の底力はさらにその上を行ったのだ。
赤木キャプテンがキャッチしたボールをさらに掴み、そのまま「スラムダンク」を見事に決めたのだ。

沸き返る会場。
桜木のみせた底力とまだ未開で荒削りではあるが確かなバスケの才能に、赤木キャプテンは素直に彼を認めるのであった。
勝負の行く末を密かに見守っていた流川も、「やるじゃん桜木・・・」と満足げだ。

わかった。この漫画、嫌な人が誰もいない。今のところ。みんな「いいヤツ」なのだ。
すごく気持ちがいい。
誰もが素直で、真っ直ぐで、卑怯なことをせず、一生懸命なのだ。
なるほど、みんなが「スラムダンクは自分にとっての青春だ」と迷いなく評価する理由がわかった。
48歳の今さら、この世界観に浸れることに感謝しよう。

さて、いよいよバスケ部に入部した桜木・・・?
と思いきや、なんと赤木キャプテンは桜木の入部を許さないとのこと。
あれ?認めたのではなかったの・・?

赤木キャプテンに根性があるところを見せようと、画策する桜木。
最終的には、バスケットボールと体育館フロアを一人きりでピカピカに磨き上げることで、その思いが伝わり、入部が許された。
やはり、こういう真っ直ぐな攻め方が本当に気持ちがいい。

さて、ここで新入部員の自己紹介の場があり、やっと流川の身長が明かされた。
187センチとのことである。桜木は188センチ。
本当に190センチ近くある。ということは、やはりキャプテンは2メートル近くあるのだろう。
高校バスケだと、このくらい当たり前なのだろうか?

新キャラも登場する。マネージャーの彩子さんだ。
高校2年生とも思えぬ妖艶さである。
なんとなく、赤木キャプテンの彼女ポジションの予感がする。

いざ待望の初めての部活活動が始まるのだが、素人同然の桜木に待っていたのはひたすら基本姿勢でドリブルを続ける基礎練習。
部活中ずっと続けさせられた為、寝る時にまで耳元でドリブル音が鳴り続けている気がする桜木だった。
こういう細かい描写に、作者がもともとバスケットボール経験者で、本当に「好き」なんだろうな、という一面が見えて嬉しい。

当初の思い(期待の新人あらわる、とチヤホヤされる)との落差に、イラつきをみせる桜木。
ここでの桜木の妄想の描写がとても面白い。流川のキツネなんて最高である。
と、そんな平和な描写も束の間、ここで不穏な空気が流れ始める。
基礎練習ばかりやらされることに我慢しきれなくなった桜木が爆発してしまった。
「もう、こんなつまんない部はやめる」。そう言い残し、体育館を去っていく桜木であった・・・・

「スラムダンク」1巻を初見で読んだ感想まとめ

さて、あっというまの1巻だった。
ほぼゼロ知識からのチャレンジだったが、すぐにその世界観に引き込まれ、どっぷりと楽しむことができた。
時折混ぜ込まれているギャグが、タイミングもさじ加減も絶妙で、とても心地いい。
キャラの特性と思いもそれぞれ立っていて、それぞれの人物の行動の動機に素直に納得しながらテンポよく読み進めることができた。
ここぞというときの効果的なコマ割りのセンスには脱帽である。

名作と呼ばれるものには、かならずその理由がある。
あらためて「名作」という言葉の重みを感じた。

これからの湘北高校バスケ部の行く末と、桜木の成長がとても楽しみである。

「スラムダンク」のクチコミ投稿ページはコチラ>>

購読する
通知する

2 コメントに画像を挿入したい場合は画像URLを追加してください。※著作権には十分注意してください。
Inline Feedbacks
View all comments

Anonymous
20 hours ago

ここまでの登場人物で
桜木花道(高一)主人公
赤木晴子(高一)ヒロイン
赤木剛憲(高三)ヒロインの兄で部長
流川楓(高一)ライバル
彩子(高二)マネージャー
木暮公延(高三)副部長
というメインキャラが出ました。
あと二人ほどメインキャラが来ますからそのまま是非最終巻までどうぞ。

2
0
感想をコメントでお聞かせください!x