月刊サンデージェネックス

「月刊サンデージェネックス」(月刊サンデーGENE-X、月刊サンデーGX)は、2000年7月19日に同年8月号として小学館から創刊された月刊の漫画雑誌である。毎月19日に発行されている。誌名の「ジェネックス」は、「GENERATION-X(X世代)」と「GENE-X(遺伝子X)」を組み合わせた造語で、「サンデーの遺伝子をもった新しい世代のためのコミック誌」という意味が込められている。主に青年層をターゲットとし、メディアミックスを意識した作品や、アクション、SF、ミステリー、日常系など多様なジャンルの作品を掲載する。
メディアミックスを強く意識した誌面:
創刊当初からアニメやゲームといった他メディアへの展開を強く意識した作品が多数連載されている。『ラーゼフォン』や『落語天女おゆい』のようなアニメ派生作品の外伝が掲載されたり、『BLACK LAGOON』『ヨルムンガンド』『REC』『神様ドォルズ』など、多くの連載作品がテレビアニメ化されている点が顕著だ。これにより、漫画作品のファン層を拡大し、相乗効果を生み出している。
他社・他誌出身作家の積極的起用:
小学館の他の「サンデー」系列誌とは異なり、他社や他誌でデビューし、既に一定のキャリアを持つ作家の起用が比較的多い点が特徴だ。これにより、誌面に多様な作風と経験豊かな作家の作品が並び、幅広い読者のニーズに応えている。
漫画作品に特化した誌面構成:
誌面のほとんどが漫画作品で占められており、グラビアアイドルや映画、テレビ、アニメといった趣味一般に関する記事は非常に少ない。連載作品やその作者に関するページを除けば、純粋に漫画を読むことに集中できる構成となっている。また、メディアミックス系の雑誌としては珍しく、予告なしの休載や未完成原稿の掲載が少ない点も、読者からの信頼を得ている要因だ。
「銃撃ち漫画」の隆盛:
2006年から2010年頃にかけては、掲載作品15本中3本がガンアクションをメインとした「銃撃ち漫画」であった時期があり、このジャンルに強みを持っていた。『BLACK LAGOON』『ワイルダネス』『ヨルムンガンド』といった人気作品がこの系統に属し、同一編集者が担当していたことも特筆すべき点だ。
2019年の新装刊:
2019年9月19日発売の10月号より新装刊されており、常に新しい読者の獲得と既存読者の満足度向上を目指している姿勢がうかがえる。
「月刊サンデージェネックス」からは、多くのファンに支持される作品が生まれている。
『BLACK LAGOON』(広江礼威):
東南アジアを舞台に、裏社会で生きる運び屋の活躍を描くガンアクション作品。過激な描写と魅力的なキャラクター、練り込まれたストーリーで絶大な人気を誇り、複数回のアニメ化がされている。雑誌の顔とも言える存在だ。
『ヨルムンガンド』(高橋慶太郎):
武器商人ココ・ヘクマティアルと、元少年兵ヨナを中心とした個性豊かな仲間たちの旅を描くガンアクション作品。リアルな銃器描写と緻密なプロットが評価され、アニメ化もされた。
『REC』(花見沢Q太郎):
声優を目指す女性と、その彼女を支える男性の日常と恋を描く、声優業界を題材にしたコメディ。アニメ化された。
『神様ドォルズ』(やまむらはじめ):
村に伝わる「案山子(カカシ)」と呼ばれる人形を操る能力を持つ者たちの戦いを描くバトルファンタジー。アニメ化された。
**『吼えろペン』**シリーズ(島本和彦):
漫画家の情熱と苦悩をリアルかつコミカルに描く自伝的ギャグ漫画。創刊号から連載が開始され、その後も「新 吼えろペン」「吼えろペンRRR」とシリーズが続いている。
『薬屋のひとりごと 猫猫の後宮謎解き手帳』(原作:日向夏、作画:倉田三ノ路、キャラクター原案:しのとうこ):
後宮を舞台に、薬の知識を持つ少女・猫猫が様々な事件や謎を解き明かすミステリー。小説原作のコミカライズで、幅広い層から支持を得てアニメ化された大ヒット作だ。
『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(原作:麻生羽呂、作画:高田康太郎):
ブラック企業で働く主人公が、ゾンビパンデミックを機に「やりたいことリスト」を達成しようとするコメディ。アニメ化、実写映画化された。
これらの作品は、「月刊サンデージェネックス」が多様なジャンルとメディアミックスを強みとし、多くのファンに愛される雑誌であることを示している。