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「ジャンプスクエア」は、2007年11月2日に集英社から創刊された月刊漫画雑誌である。毎月4日に発売され、略称は「スクエア」または「SQ.」である。誌名の「スクエア」「SQ」には、「a public square(広場)」、「square(二乗)」、そして「SQ.=supreme quality(最高の品質)」という意味が込められている。
本誌は、部数低迷により2007年6月に休刊した『月刊少年ジャンプ』の後継誌として創刊された。創刊号の部数は50万部で、実売率が非常に高かったため、漫画雑誌としては異例の連続増刷が決定されるなど、好調なスタートを切った。集英社の公式サイトでは少年コミック誌に分類されているが、掲載作品の多様性から男性コミック誌として分類されることもある。
多様なジャンルと作家陣の起用:
本誌は、特定のジャンルに限定されず、幅広い作品を扱っている点が大きな特徴である。少年漫画の枠を超え、少女漫画誌で活動してきた作家の起用、アニメや小説の漫画化作品、エッセイ、小説なども積極的に掲載している。これにより、多様な読者層にアピールしている。
新人・多様な作家の発掘:
創刊号から「SUPREME読切りシリーズ」と題して、集英社の雑誌での執筆経験者に限らず、様々な作家の読切をコンスタントに掲載してきた。これは「新しい作品をどんどん始めていかないと雑誌は衰えていく」という編集部の思想を反映しており、常に新しい才能の発掘と育成に力を入れていることを示している。
スタイリッシュな誌面デザイン:
本誌の表紙は「多彩な書体を使用し、スタイリッシュな印象」を与えるデザインに意識が向けられている。「コミック誌の基本的な手法である汚しやノイズ」を活用しつつ「大人っぽい雰囲気」に仕上げるなど、デザイン面でも「新しい感覚」を取り入れている。
デジタルメディアへの積極的な展開:
雑誌本誌と並行して、公式ウェブサイト内での連載も行われている。2010年にはヤフーと提携し、iPad用アプリとして電子書籍版の配信を開始するなど、日本の出版業界における電子書籍化の先駆的な取り組みを行っていた。これは後にウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』創刊へと繋がる経験となった。
「ジャンプ」レーベルの多様化と連携:
連載作品の単行本は『ジャンプ コミックス』レーベルから発行されるが、『SQ.』専用のオレンジ色を基調とした新たな基本デザインが採用されている。これは、ジャンプ系列誌でありながらも、本誌独自のブランドイメージを確立していることを示している。
編集方針の変遷と課題:
歴代編集長の指揮のもと、「常に新しい作品を生み出し続け、新しい読者をお出迎えし続けなければならない」という目標を掲げ、毎年多くの新連載を立ち上げてきた。一方で、2014年の『少年ジャンプ+』創刊以降、一部の作家がそちらへ流出するなどの影響も受け、初期の勢いとは異なる状況も経験している。
「ジャンプスクエア」からは、アニメ化され人気を博した作品が多数誕生している。
『青の祓魔師(エクソシスト)』(加藤和恵):
悪魔の血を引く少年が祓魔師(エクソシスト)となって悪魔と戦うダークファンタジーである。本誌を代表する人気作品であり、複数期にわたるテレビアニメ化や映画化もされている。
『新テニスの王子様』(許斐剛):
『テニスの王子様』の続編であり、中学生テニスプレイヤーたちがU-17(アンダーセブンティーン)日本代表合宿に参加し、世界の強豪と戦う姿を描く。アニメやOVA化もされている。
『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』(漫画:矢吹健太朗、原作:長谷見沙貴):
『To LOVEる -とらぶる-』のスピンオフであり、SFラブコメディである。テレビアニメも制作された。
『終わりのセラフ』(漫画:山本ヤマト、コンテ構成:降矢大輔、原作:鏡貴也):
吸血鬼と人間が戦う世界を舞台にしたダークファンタジーである。テレビアニメ化もされ、広い層に支持された。
『血界戦線』(内藤泰弘):
異界と現世が交わるニューヨークを舞台に、秘密結社ライブラのメンバーが世界の均衡を守るために活躍するバトルアクションである。テレビアニメ化もされた。
『ワールドトリガー』(葦原大介):
異世界からの侵略者「近界民(ネイバー)」と戦う防衛組織「ボーダー」の活躍を描くSFアクションである。本誌移籍後にアニメ第2期・第3期が制作され、人気を博している。
『憂国のモリアーティ』(漫画:三好輝、構成:竹内良輔、原案:コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズ):
シャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティを主人公に据え、犯罪によって世の中の不正を正そうとする物語である。テレビアニメ化もされた。
これらの作品は、「ジャンプスクエア」が多様な才能を受け入れ、様々なジャンルの作品を送り出し、メディアミックス展開を通じて広く読者にアピールしていることを示している。