電撃マオウの部屋

『電撃マオウ』は、2005年10月27日に創刊された月刊誌で、毎月27日に発売される。「ゲームとコミック・ノベルの融合」をキャッチフレーズに掲げ、コンピュータゲームを題材にした漫画作品、ノベライズ、コラム、そしてゲーム情報が主な掲載コンテンツとなっている。
創刊当初は『電撃「マ)王』という特殊な表記の題字を使用していたが、後に「電撃マ王」と簡略化され、2011年12月号で現在の『電撃マオウ』へと変更された。2008年の創刊3周年リニューアルで雑誌サイズがA4判からB5判に変更され、2010年には大幅なページ増量(1000ページ超)を伴う新装刊リニューアルを実施。2011年にも再度リニューアルが行われるなど、誌面構成やデザインを頻繁に更新している。2014年3月号で通巻100号を達成した。
2007年9月には姉妹誌『電撃黒王』が創刊されたが、2010年6月には本誌に統合され、一部作品が移籍連載となった。また、『テイルズ オブ』シリーズに特化した増刊号『ビバ☆テイルズ オブ マガジン』も2011年2月に創刊し、後に独立刊行されている。2015年10月には創刊10周年を迎えるなど、ゲームと漫画の融合を追求する独自の路線を歩んでいる。
「ゲームとコミック・ノベルの融合」という明確なコンセプト:
本誌の最大の特徴は、そのキャッチフレーズが示す通り、ゲーム作品と漫画・ノベルの密接な連携である。人気ゲームのコミカライズやノベライズ、ゲーム関連のコラムや情報記事を豊富に掲載することで、ゲームファンと漫画ファンの両方にアピールしている。特に、テイルズ オブ シリーズなど、同一ゲームシリーズの複数作品を同時にコミカライズする試みも行われている。
多様なジャンルのオリジナル漫画:
ゲーム作品のコミカライズだけでなく、オリジナル漫画も多数連載している。これらのオリジナル作品も、異世界ファンタジー、バトルアクション、学園コメディ、日常系など、ゲームの世界観と親和性の高いジャンルや、ライトノベル原作のコミカライズが多く見られる。これにより、単なるゲームの副読本に留まらない、幅広い読者層をターゲットにしている。
積極的な誌面リニューアルと媒体戦略:
創刊以来、雑誌サイズ変更、ページ数増量、誌名変更など、頻繁にリニューアルを行ってきた。これは、読者のニーズや市場の変化に柔軟に対応し、常に新しい魅力を提供しようとする姿勢の表れである。また、姉妹誌の統合や独立刊行、Web媒体との連携など、多角的な媒体戦略を展開している。
ライトノベルやメディアミックスとの連携:
電撃文庫など、KADOKAWAグループのライトノベル作品のコミカライズも多く、メディアミックス戦略の一翼を担っている。『この美術部には問題がある!』や『愚かな天使は悪魔と踊る』、『転生王女と天才令嬢の魔法革命』など、アニメ化された作品も多数輩出しており、コンテンツ産業におけるシナジー効果を追求している。
『電撃マオウ』からは、ゲームコミカライズの他、独自のヒット作も生まれている。
『ぷちます! -PETIT IDOLM@STER-』(明音/原作:バンダイナムコエンターテインメント):
人気ゲーム『アイドルマスター』のキャラクターをデフォルメ化したスピンオフコメディ。その可愛らしいキャラクターと日常のギャグが人気を博し、アニメ化もされた長期連載作品である。
『この美術部には問題がある!』(いみぎむる):
美術部に所属する個性的なメンバーたちの日常を描く学園コメディ。そのゆるやかな雰囲気とキャラクターの魅力が評価され、アニメ化された。
『まったく最近の探偵ときたら』(五十嵐正邦):
若返りの薬で少年になった探偵と、その助手となった少女が事件を解決するコメディ。
『愚かな天使は悪魔と踊る』(アズマサワヨシ):
人間界にやってきた悪魔のイケメンと、それを惑わそうとする天使の少女の異色ラブコメディ。アニメ化もされた。
『ざつ旅-That’s Journey-』(石坂ケンタ):
「ざつ」な旅に出る女子が、各地で出会いや発見を経験するロードトリップ漫画。ゆるい旅の雰囲気が人気。
『リビルドワールド』(綾村切人/原作:ナフセ):
荒廃した近未来世界を舞台に、旧世界の遺跡を探す少年と、その相棒となる謎の美女の冒険を描くSFファンタジー。
『転生王女と天才令嬢の魔法革命』(南高春告/原作:鴉ぴえろ):
魔法が使えないが転生した元王女と、その婚約破棄された天才令嬢が、共に魔法の研究に打ち込む異世界ファンタジー。アニメ化もされた。
『豚のレバーは加熱しろ』(みなみ/原作:逆井卓馬):
豚として異世界に転生してしまった主人公と、心を読む能力を持つ少女の異世界ファンタジー。アニメ化もされた。
『私を喰べたい、ひとでなし』(苗川采):
人魚と人間の間に生まれた少女と、彼女を救おうとする悪魔の物語を描くダークファンタジー。
『終末ツーリング』(さいとー栄):
文明が崩壊した後の世界で、二人の少女がバイクで旅をする終末系日常漫画。
『Missing』(漫画:日野杏寿/原作:甲田学人):
怪奇事件を解決する「失踪人課」のメンバーたちの物語を描くミステリー。
『ケンガンアシュラ』(だろめおん/原作:サンドロビッチ・ヤバ子):
企業間の代理戦争として行われる異種格闘技戦を描いたバトル漫画。姉妹誌『電撃黒王』から移籍し、後に『裏サンデー』へ移籍し大ヒットした。
これらの作品は、『電撃マオウ』がゲームと漫画の境界を越え、多様なエンターテインメントコンテンツを提供し続けていることを示している。