マガジンポケット

「マガジンポケット」は、2015年8月3日より講談社が配信を開始したウェブコミック配信サイトおよび漫画アプリである。セガネットワークスと共同で企画・運営・開発に取り組んだプロジェクトであり、講談社の主要漫画雑誌である『週刊少年マガジン』や『別冊少年マガジン』などに掲載されている作品の並行連載に加え、マガポケオリジナルの新作漫画も多数連載されている。また、講談社が過去に刊行した人気作品の再掲も行われている。
多様な作品ラインナップ:
『週刊少年マガジン』、『別冊少年マガジン』をはじめとする講談社各誌の連載中作品の最新話が読めるほか、ウェブ・アプリ発のマガポケオリジナル作品が豊富に用意されている。さらに、過去のヒット作品や名作も再掲されており、幅広いジャンルと年代の漫画を楽しむことができる。大半の再掲作品は『週刊少年マガジン』の作品だが、一部青年誌からの再掲も含まれている。
柔軟な更新頻度:
大半の作品は毎週更新されるが、中には月1回更新や隔週更新の作品も存在し、作品ごとに最適なペースで連載が進められている。
ポイント制と無料閲覧の組み合わせ:
各話の閲覧は原則として有料(ポイント制)であり、事前に購入したポイントを消費して閲覧する仕組みである。同じ話を2回目以降に閲覧する場合は追加のポイントは不要だ。ただし、各作品の第1話(作品によっては第2話・第3話も)は無料で閲覧できるほか、最新話から数話前については一定期間無料で提供される。また、期間限定で全話無料公開される作品もあるなど、読者がアクセスしやすい工夫がなされている。
オリジナルレーベルの展開:
マガポケオリジナル作品は「マガジンポケットKC」レーベルで単行本が発行されている。他の雑誌から移籍した作品は、基本的に移籍元のレーベルで継続されるが、一部例外もある(例:『しかのこのこのここしたんたん』は『少年マガジンエッジ』から移籍後、シリウスKCで発行)。
機能拡充と緊急対応:
2025年5月15日にはウェブ版がリニューアルされ、「チケット機能」「ログインボーナス機能」「話コメ機能」など、読者の利便性やコミュニティ機能を高める新機能が追加された。また、過去には自然災害の影響で雑誌の配送に遅延が発生した際、紙版の内容を期間限定で無料公開するなど、社会情勢に応じた対応も行っている。
「マガジンポケット」では、オリジナル作品と講談社各誌からの再掲作品が混在し、多数の人気作を掲載してきた。
『進撃の巨人』(諫山創):『別冊少年マガジン』からの再掲作品であり、世界的な大ヒットを記録したダークファンタジー。
『EDENS ZERO』(真島ヒロ):『週刊少年マガジン』からの並行連載。SFファンタジーで人気を博している。
『五等分の花嫁』(春場ねぎ):『週刊少年マガジン』からの並行連載。五つ子との恋愛を描くラブコメディで、社会現象を巻き起こした。
『ブルーロック』(原作:金城宗幸、漫画:ノ村優介):『週刊少年マガジン』からの並行連載。サッカー漫画で、アニメ化もされ人気が高い。
『東京卍リベンジャーズ』(和久井健):『週刊少年マガジン』からの並行連載。タイムリープとヤンキーを組み合わせた異色の作品で、実写映画化、アニメ化も大ヒットした。
『可愛いだけじゃない式守さん』(真木蛍五):オリジナル連載からアニメ化されたラブコメディ。
『薫る花は凛と咲く』(三香見サカ):オリジナル連載からアニメ化が決定した学園恋愛漫画。
『彼女、お借りします』(宮島礼吏):『週刊少年マガジン』からの並行連載。レンタル彼女を巡るラブコメディで、アニメ化もされている。
『WIND BREAKER』(にいさとる):オリジナル連載からアニメ化された不良漫画。
『ダイヤのA actII』(寺嶋裕二):『週刊少年マガジン』からの並行連載。高校野球をテーマにした人気作。
『不滅のあなたへ』(大今良時):『週刊少年マガジン』からの並行連載。壮大なファンタジー作品で、アニメ化もされている。
『化物語』(原作:西尾維新、漫画:大暮維人):『週刊少年マガジン』からの並行連載。人気小説のアニメ化を漫画化したもの。
『エデンの檻』(山田恵庸):連載終了作品だが、『週刊少年マガジン』で人気を博したサバイバル漫画。
『寄宿学校のジュリエット』(金田陽介):連載終了作品だが、オリジナル連載からアニメ化された学園ラブコメディ。
『徒然チルドレン』(若林稔弥):連載終了作品だが、オリジナル連載からアニメ化された群像劇ラブコメディ。
「マガジンポケット」掲載作品からは、多数のアニメやドラマが誕生している。
テレビアニメ化
『怪病医ラムネ』(2021年)
『イジらないで、長瀞さん』(2021年、2023年)
『テスラノート』(2021年)
『可愛いだけじゃない式守さん』(2022年)
『犬になったら好きな人に拾われた。』(2023年)
『WIND BREAKER』(2024年、2025年予定)
『しかのこのこのここしたんたん』(2024年)
『FAIRY TAIL 100 YEARS QUEST』(2024年-2025年予定)
『薫る花は凛と咲く』(2025年予定)
『ワンダンス』(2025年予定)
『さわらないで小手指くん』(2025年予定)
『幼馴染とはラブコメにならない』(2026年予定)
『デッドアカウント』(時期未公表)
劇場アニメ化
『ひゃくえむ。』(2025年公開予定)
テレビドラマ化
『なれの果ての僕ら』(2023年)
『あらばしり』(2025年予定)
『グラぱらっ!』(2025年予定)
これらの作品群は、「マガジンポケット」が単なるウェブコミックプラットフォームに留まらず、新たなヒット作を生み出し続ける重要な拠点となっていることを示している。