雑誌概要

「最強ジャンプ」は、集英社が発行する日本の小学生男児向け月刊漫画雑誌である。2010年12月3日に『週刊少年ジャンプ』(WJ)と『Vジャンプ』(VJ)の共同増刊号として第1号が発刊された後、2011年にはほぼ季刊ペースで刊行され、2011年12月3日に月刊誌として独立創刊した。その後、2014年8月に隔月刊行へと移行したが、2021年8月からは再び月刊誌としてリニューアル刊行されている。マスコットキャラクターは尾田栄一郎がデザインし、一般公募で「ファラオン」と名付けられた。

特徴

  1. 「ジャンプ」系雑誌の連携と独立:
    『週刊少年ジャンプ』と『Vジャンプ』の共同増刊号としてスタートし、そのノウハウや人気を背景に独立創刊を果たした。これら兄弟誌との連携は現在も強く、掲載作品にその系譜を見ることができる。

  2. スピンオフとタイアップ作品が中心:
    掲載されている漫画作品の多くは、『週刊少年ジャンプ』や『Vジャンプ』で連載中または過去に連載された人気作品のスピンオフや、玩具、コンピュータゲームといったメディアとのタイアップ作品が中心である。これにより、既存のファン層にアプローチしつつ、新たな読者を開拓する戦略をとっている。漫画だけでなく、最新のホビー情報やゲーム情報なども充実しており、情報誌としての側面も持ち合わせている点が特徴だ。

  3. 刊行形態の変遷とリニューアル:
    月刊誌としてスタートした後、隔月刊に移行するなどの変遷を経験している。しかし、2021年には「修業期間」を経て再度月刊誌としてリニューアルし、新たな連載作品や企画を導入することで、常に読者のニーズに応えようとしている。

  4. 読者層への配慮と社会貢献:
    小学生男児向けに特化しており、友情、冒険、バトル、ギャグといったテーマが中心である。読みやすいコマ割りや分かりやすいストーリー展開が特徴で、付録も読者層に合わせたカードゲームや玩具関連のものが多く見られる。また、2024年の能登半島地震の際には、被災者向けに電子版の無料公開を行うなど、社会貢献活動にも積極的だ。

代表作品

「最強ジャンプ」からは、人気作品のスピンオフを中心に、多くの作品が読者に親しまれている。

  • 『ドラゴンボールSD』(漫画:オオイシナホ、原作・監修:鳥山明):
    『ドラゴンボール』のキャラクターをデフォルメし、ギャグ要素を交えながら原作のストーリーを追体験できる作品だ。長期にわたり連載され、読者からの人気が高い。

  • 『ONE PIECE学園』(小路壮平、原作:尾田栄一郎):
    『ONE PIECE』のキャラクターたちが学校生活を送るスピンオフギャグ漫画である。原作の魅力を残しつつ、新たな視点でキャラクターの魅力を引き出している。

  • 『僕のヒーローアカデミアスピンオフ チームアップミッション』(あきやま陽光、原作:堀越耕平):
    『僕のヒーローアカデミア』の登場人物たちが様々なミッションに挑むスピンオフ作品だ。原作では見られない組み合わせのキャラクターたちが活躍する。

  • 『キメツ学園』(帆上夏希、原作:吾峠呼世晴):
    大ヒット漫画『鬼滅の刃』のキャラクターが学園を舞台に繰り広げる日常を描いたスピンオフである。アニメでもショートアニメとして展開され、人気を博した。

  • 『おしりダンディ ザ・ヤング』(作画:きくちあきひろ、原作・構成:はるはらロビンソン、原案・監修:トロル):
    人気の児童書シリーズ『おしりたんてい』のスピンオフで、若かりし頃のおしりダンディの活躍を描いている。

  • 『怪獣8号RELAX』(渡邉築、原作:松本直也):
    『怪獣8号』のスピンオフ作品であり、原作のキャラクターたちが織りなす日常やコミカルな場面を描いている。

  • 『SAKAMOTO HOLIDAYS』(大川哲、原作:鈴木祐斗):
    『SAKAMOTO DAYS』のスピンオフ作品で、本編では見られないキャラクターたちの休暇中のエピソードが描かれる。

この他にも、『スーパードラゴンボールヒーローズ』シリーズや『遊☆戯☆王』シリーズなど、人気カードゲームやゲームとの強力なタイアップ漫画が多数連載され、読者のホビーへの興味を掻き立てている。