48歳主婦が今さら「スラムダンク」を人生初で読んでみる【初見感想】12巻

さあ、12巻だ。
県大会でベスト4進出を見事決めた湘北高校バスケ部。
決勝リーグに残ったのは海南大付属高校、湘北高校、陵南高校、武里高校。そのうち次なる対戦相手は、優勝候補の海南高校である。
さあどうなる。

ここで海南大付属高校の凄さが語られる。
「常勝」と堂々と書かれた横断幕。その言葉に違わず、なんと16年連続でインターハイ出場を決めているとのことだ。
そんな大注目の海南大付属高校との試合であるため、観衆の入りも満員さながらだ。

海南大付属高校の凄さを読者に語ってくれたのは、何を隠そう、あの彦一の姉であった。
「要チェックやわ」というキメ台詞は彼らのDNAに深く刻み込まれているらしい。

それぞれの控室では、海南大付属高校(長くてやや面倒になってきたので、以降は海南高校と書くことにしよう)と湘北高校が士気を高めていた。
黒塗りバックに身体の熱気が立ち上る様子の牧のオーラなんて、もう世界大会に挑む選手のそれである。
しかし湘北の赤木キャプテンも負けてはいない。
「湘北が海南とインターハイ出場を賭けて戦う所を毎晩思い描いていた・・・1年生のときからずっとだ」というとっておきのセリフでチーム全員の表情を一気に真剣なものと切り替えた。糸目と目が点で描かれているメンバーが2人いるが、彼らもきっとこのほんわかした表情の裏では覚悟を決めているのであろう。

両チーム選手入場。会場は一気に熱気の渦に飲み込まれる。
「牧だ!」「牧!」「牧さん!」
異常なほどの人気だ。
「かっかっかっ」と声を高らかに上げるのは11巻で初登場した清田信長。
彼のキャラクターは今だよく掴めないでいる。
「かっかっかっ」と言われると、某菓子パンヒーローアニメに登場する「かつおぶしマン」の「かっかっかっ かつおぶし!」が脳裏にこだまするので、できればやめていただきたい。
会場からは「変な奴」という声も漏れる。同じ心境の人がいたことに少しシンパシーを感じる。

しかしこの清田、桜木とは相当気が合いそうである。波長が同じなのだ。まるで生き別れていた兄弟のように。
それぞれ、悪ふざけが過ぎてチームの大黒柱にやり込められている流れまで同じだ。

いよいよ試合スタート。
先手を切ったのは湘北。ジャンプボールでは速攻でマイボールを獲得する赤木キャプテン、からのキレッキレのパスを繰り出す宮城リョータ。
どうした湘北!!絶好調じゃないか!!

でももちろんそうは問屋が卸さない。
パスを受けた流川が見事にゴールを決めるかと思いきや、そこに立ちはだかるのは異様なオーラを放ってやまなかった牧である。

あっというまにボールは海南ボールとなり、形勢逆転。
と、思いきやの桜木の見事なパスカット。

ここまで息つく暇もないほどのスピード感である。
さすが井上先生。
毎回の試合で、このスピード感と緊張感あふれる試合模様を描けるとは。

速攻にカウンターにハエたたきにフェイントにと、ありとあらゆる見せ場が惜しげなく繰り出される。
一コマも見逃せない盛り上がりようだ。

しかしそんな佳境の折に、「要チェックやわ」のお姉さんは別の試合を取材しに道を急ぐ。
えー・・・。試合の続き見れないの??あんなの続き気になりすぎるでしょ。記者って大変なのね。

と他人事で済まそうとしたが、読者もここで一度強制的に陵南VS北里の試合へとワープさせられる。
ここでは陵南のエース仙道が大活躍中である。
かくして「要チェックやわ」のDNAを持つ二人が揃ったわけだが、遺伝子のパワーというものを改めて思い知らされる。
うん、この二人、まさに姉弟に間違いない。
ついこの二人に意識を持っていかれそうになったが、肝心の試合状況はどうかというと、陵南の圧倒的リードであった。やはり強い。

湘北VS海南へ場面は戻る。
赤木はゆるぎないパワーを見せつけ、桜木もリバウンド王の異名に恥じない活躍を見せ、安西監督も時にはその身をクッションにやつし、湘北、善戦である。
彦一姉さんも戻ってきた。早かったな笑

想定以上の活躍をする桜木に、海南の監督が動く。「彼を締め出す」。
一体何をする気なのか。
監督がプレイチームに投入したのは、身長160㎝・体重42㎏とバスケ選手としては小柄の宮益選手。
いかにも「ひよわ」そうだが、一体彼にどんな秘密兵器が隠されているというのか。

いやあ、完全に想定外だった。
彼に課された作戦はまさかの「必殺・何もしない」である。
ただ、ゴール下でシュートを決めようとする桜木を棒立ちで見つめるのだ。

しかしこれが桜木には効果てきめん。
相手の圧倒的な強さにあらがおうとするうちに成長したり、底力を発揮する桜木にとって、「なにもされない」というのは逆にプレッシャーとなるのだ。
さらに、シンプルにシュートを確実に決める技術がまだ備わっていない。
そのため、ことごとくシュートを外してしまい、桜木の精神を削っていく。
(あれ?桜木、「置いてくるシュート」の技術はマスターしてなかった?この状況では使えないの?)

宮益の持つ兵器はこれだけではない。
実は彼、シュートを決める能力が卓越しているのだ。
相手をすっかり油断させつつ、サクッとシュートを決めてしまった。

この苦しい状況で、桜木は赤木に問う。「どうすればシュートが入るのか。」
桜木、本気である。(当たり前か)
ここで赤木からの一言が桜木を完全に放つのだ。「ゴール下ではダンクだけ狙え。」

赤木からずっと封印をされていたダンクが、今ここで解禁されたのだ。これはアツい。

しかし今度はダンクを決めようにも、ファウルを覚悟のうえで強制的に止められてしまう。
ファウルによりフリースローを与えられても、結局シュートが決まらないので、桜木は完全に封印されてしまうのだ。
ずるいけれど賢い。

一方、陵南VS武里に試合が移ると、なんと点数は100点対54点となっていた。もうやめてあげて。

再び湘北VS海南。
桜木完全封じ作戦を前に、いつもはおきものと化す安西先生がとうとう動く。
桜木交代ーーー。

納得のいかない桜木だが、ここは仕方がない。
メンバーも少しだけホッとしているようだ。
桜木の弱点をすべて海南の監督に見せるわけにはいかない。この采配が、今後どう響いてくるのか。
目が離せないまま、13巻へと続く!

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